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2016年7月

2016年7月31日 (日)

世界の溝口映画「西鶴一代女」「祇園囃子」を観る「私家版ある映画監督の生涯」について

WOWOWで放映しました。1952年東宝製作白黒

スタンダード(縦長サイズです。フェルリーニの映画がそうです。

スクリーンの中心にドラマを凝縮させるのに良いです。

有る時期までの邦画はワイドスクリーンでこれは横長で

迫力があります。男はつらいよが代表的です。その変わり

テレビで放映すると上下が空きます。その後はビスタサイズで

これはテレビ放送をするために便利です。
監督溝口健二、脚本依田義賢、撮影宮川一夫、照明岡本健一
主演田中絹代 当時の日本の最高峰のスタッフ、キャストです。
ネタバレあります。お春が自分の一生を
振り返るところが出だしです。最後にまたこのシーンに
戻りエンデイングです。解説はしませんが、私が若い頃

見ていたら途中で観るのを止めたかもしれません。

今見ると、男に翻弄されるお春が可哀そうな話と言うよりも、

うぶなお春が成長するにつれて、段々強くなっていく。

そして最後には娼婦になるが。自分が大名のお世継ぎを

産んだ時よりも、娼婦になった今が幸せに思えるのでした。

ラストシーンは死んでしまうのではなく、彼女の三味線の演奏で

した。溝口の、女を観る目の確かさ、人間の残酷さ、

そして幸せとは。山田洋次が善人しか描かない、描けないのとは

違いますね。人を励ます映画は、人は善人だけではないので

もっと人間を苛めなければ駄目ですとは故淀川長治さんの

言葉です。溝口映画は全て好きと絶賛していましたが、山田の

映画は善人しか出ないと不満そうです。西鶴はけして暗い映画

では有りません。溝口監督の中では一番成功している作品では

ないでしょうか。
主演の田中絹代さんは素晴らしいの一言に尽きます。監督は

田中絹代に生涯惚れていたそうです。溝口の作品が合いますね。

「祇園囃子」WOWOWで放映、1953年大映京都撮影所製作

白黒スタンダード

監督溝口健二、脚本依田義賢、撮影宮川一夫、照明岡本健一

主演木暮実千代、若尾文子、河津清三郎、菅井一郎、

京都の祇園の話です、姉の所に16歳の妹が舞妓に成りたいと

転がり込んでくる、舞妓は旦那も取らなきゃならない、

人権も有ったものじゃないが助け合って生きてゆく話です。

現代劇も良いです。私が今でも作品が楽しめるのは

おしっこも尿瓶でしてた、鬼の溝口監督のお陰です。

弟子の新藤監督のインタビュー映画「私家版、ある映画監督

の生涯」は溝口の姿にスタッフが迫っている2時間30分の

ドキュメンタリ―映画です。圧巻は主演女優の田中絹代が

溝口をどのように思っていたかです。田中の出演のOKが

出なければこの企画はやる意味がないと新藤は考えていた

そうだ。人間溝口に迫っている力作です。私はは現代劇の

祇園囃子(1時間30分)が好きです。溝口曰く間に合わせの

作品だそうですが、女を描かせると上手い。祇園の舞妓

の木暮実千代と若尾文子の2人がぶつかり合いながらも肩を寄せ

合いながら生きてゆく所が好きです。2人の役者も素晴らしい。

西鶴の方は女の一生を描く大作です。主演は田中絹代です。

肩に力が入っていたかもしれません。個人的な意見です。

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