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2016年9月

2016年9月22日 (木)

妻が映画を観た

妻が休日に映画を観たらしい。何をみたのだろう。

気に成る。何を観たの。「参勤リターンズ」との事。

君の名はかなと思っていた。1作目の参勤が面白

かったので今回も観た。やっぱり上司だよなと思

ったとの事。実は私も見ていた。そんなに深みは無いが、

アクション映画としては良いかな。監督本木克英、松竹最後

の2人の助監督のうちの1人で、あと一人は朝原雄三監督、

アクションはやらないかなこの人。ここで松竹は助監督の

採用を止めています。本木監督のデビュー作を夫婦で観てました。

「てなもんや商社」と言う映画です。妻は原作の方がいいそうです。

主演が小林聡美です。それ以降は本木監督の映画は観ていま

せんでした。田中麗奈さんで3本位監督してます。

「ゲゲゲの鬼太郎」「犬との10の約束?」「ドラッグストアーガール」

うる覚えです。監督は田中さんが好きですね。

私もデビュー作の「がんばっていきまっしょい」から好きです。

「踊る大捜査線」のスピンオフ映画「容疑者室井慎次」の

田中さんも良かったです。脚本の君塚良一さんが一番

思いれがあるのが室井だそうです。

今回の参勤も男の世界に見えますが、男はあたふたしてます。

深田恭子さんや富田靖子さんの存在は大きいです。

だから、女性の主演か多いのですかね。

夫婦お互いに映画をみれるようになって良かったです。

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2016年9月18日 (日)

映画「怒り」を観た

映画「怒り」を観てきました。思った以上に見応えのある

作品でした。作品の解説はしません。

原作吉田修一、監督李相日(りさんいる)フラガ―ルの監督

今回は全然違う味の映画の面白さを見せてもらいました。

お金掛かってます。大作です。役者も豪華です。

旬の役者を惜しげもなく使っています。

綾野剛と妻夫木聡のカップル?はとてもピッタリで贅沢でした。

広瀬すずに気付きませんでした。大事な所に出ていました。

ラストのタイトルロールの1番は渡辺謙ハリウッドスター

ですからね、2番は松山ケンイチ、無表情の演技が上手い。

どういう人間なのか分からない役が上手いです。

3番が森山未来、人間の多面性を見せてくれた。

演技は鍛えられてる気がしました。初めて見ました。

後はうる覚えですが宮崎あおい、彼女の負の開放的な部分を

見せてくれた。今までの演技からの脱皮ですか?今考えると、

とても豪華な役者を使い、3つの話が同時進行して行き、

最後に一緒になるのです。ロケも沢山して綺麗な所を見せて

くれます。
音楽はなんと大島渚の「戦場のメリークリスマス」の坂本龍一

です、オーケストラを使ってますからこれまたお金掛かってます。

豪華豪華のオンパレード。道理でお客さんも沢山入っていました。

私は、知識なく、ただ面白そうなので観ただけ。

大当たりで面白かったです。

作品について全然しゃべっていないです。

最近は映画のチラシでもわかる事しか書かない。

自分の感想は少しでいい。

映画が終わってタイトルの「怒り」の意味が分からずに席を

立った。少し考えてみた。世の中自分の思いどうりには

成らない。例えば沖縄の基地、デモしても解決する事は

出来ない、そこまで大きな問題ではなくても、自分の身近

にどうしようも出来ない事が有りますよね。それに対する怒り。

それをどうする事も出来ない自分への怒りかな?

●キャスト●
槙洋平	    渡辺謙
田中信吾	森山未來
田代哲也	松山ケンイチ
大西直人	綾野剛
小宮山泉	広瀬すず
知念辰哉	佐久本宝
南條邦久	ピエール瀧
北見壮介	三浦貴大
薫	    高畑充希
藤田貴子	原日出子
明日香	    池脇千鶴
槙愛子	    宮崎あおい
藤田優馬	妻夫木聡
●スタッフ●
監督	李相日
脚本	李相日
原作	吉田修一
●その他●
主題曲	坂本龍一 feat. 2CELLOS

東京

             

             

李相日監督は本格的な役作りのため、徹底的にリハーサルを重ねることで有名だ。               キャストには撮影前の準備にもスケジュールを空けてもらうことを出演の条件としており、入念なホン読みやロケ地見学はもちろん、個々の役柄について台本にも原作にも書かれていないバックグラウンドを深く考えさせる。演じる人物に本物の血肉が通うまで。
              クランクイン前の2015年8月5日。               東宝スタジオで撮影の安全を祈願してのお祓いが行われた。               この場に参加できたのは、主演の渡辺謙と妻夫木聡、広瀬すず、佐久本宝の4名。               すでにそれぞれ役に入り込んでいる姿が伺える。               この場に来られなかった森山未來は、               三週間後の自らの撮影シーンに備え、独りで沖縄入りして無人島生活をしていたという。               リハーサル段階から最も追い込まれたのは、               沖縄編で泉役を演じる広瀬すずだ。               自らこの役を熱望してオーディションを受けた彼女。               これまで映画やテレビドラマで主演を務めてきたが、               李監督ほど自分の芝居に対して厳しい意見を出した演出家はいなかった。               しかし泉という悲痛な事件に直面し、劇的な怒りの感情を動かす難役に               全力で向き合うことで、「これを乗り越えたら何かが見つかる」               と自身も確信していたそうだ。               準備は万端。真夏の東京、沖縄、千葉でいよいよ李組の撮影が始まる。

             

             

             

2015年8月8日、真夏の東京で『怒り』の撮影がスタートした。               南青山の9階建てのビルの屋上にある天空レストラン『ラピュタガーデン』にて、               150人のエキストラが参加するゲイパーティーのシーンが撮影された。               午前中から下準備やリハーサルが行われ、               本番が始まる夜にはテンションMAX状態。               “GOGOBOYS”のダンサーたちが会場をド派手に盛り上げ、               DJブースからは爆音のBGMが流れる。               客の男たちが酒をあおり、次々とプールに飛び込んで身体を絡ませ合う過激なシーンだ。               この初日から、東京編のメインキャストとなる優馬役の妻夫木聡が参加。               ピンク色の海水パンツ姿でカクテルを手に踊り、               右腕にはゲイ同士のサインとなる発光リングをつけている。               『69 sixty nine』(04)『悪人』(10)に続いて三度目の李組となる妻夫木だが、               今回もまた新たな挑戦だ。               撮影前からトレーニングで筋肉をつけ、新宿二丁目に通い、               クランクインする頃には、               その雰囲気の違いに誰もが戸惑うほど男の色気を身に付けてきた。
              その妻夫木の恋人役となるのが、直人役の綾野剛だ。               二人が出会うシーンの撮影は、               都内某ビルにあるクラブを借りて行われた。               実はクラインクイン前、               ここで妻夫木と綾野は別々の日にマスクで顔を隠し、               受付店員の一日体験をしてきたという。               李組へは初参加、また妻夫木とも初共演となる綾野は華奢で繊細な直人像に合わせ、               別作品のアクションのために付けていた筋肉を落として一ヶ月で9キロの減量をした。               撮影では汗だく感を出すため、               あえてクーラーを止めるように指示されたサウナ状態の個室の中で、               明け方4時半まで妻夫木とのデリケートかつ濃厚な絡みが撮影された。
              なんと妻夫木と綾野は、               この日から、自主的に実際しばらく一緒に暮らし始めたのだという。               オフの時間にも生活空間を共にすることで、               芝居の余白を埋めていこうという半端ではないリアリティの追求だ。               後日、二人が食事をするシーンが新宿二丁目の『つけめん GACHI』で撮影された。               本物の男性カップルが行き交う場所で、妻夫木と綾野のコミュニケーションは、               まったく“優馬と直人”として自然なものになっていた。

             

             

             

李監督はこれまで屋内の撮影は「居抜き」(内装設備が整った本物の部屋・建物)にこだわってきたが、今回は初めて、優馬の部屋だけ東宝スタジオに建て込まれたセットを使用した。設定は恵比寿の築20年のマンション7階の1LDK。               若い優馬が相当リッチな独り暮らしを送るエリートのビジネスパーソンであることがわかる。この部屋に直人が転がり込み、二人の同居生活が始まる。
              六本木のジビエレストラン『ガブリエラ』や、品川のコンビニなど、               優馬と直人の日常空間は都内だが、優馬の母親・貴子が入院しているホスピス病棟は、               神奈川県でロケーション。談話室のシーンは川崎市にある井田病院で撮影が行われた。
              貴子役は原日出子。『69 sixty nine』以来の李組となり、あの作品でも妻夫木演じる主人公の母親役を演じた。今回、彼女は死に向かう病気という設定のため、なんと10キロの減量を敢行してこの役に臨んだ。「痩せている人をキャスティングすることはできる。しかし原さんでないと意味がない」という李監督のオファーに応え、クラインクインしてから一週間、水中心のダイエット生活を続けて撮影時は極限状態だったという。               この迫真の役作りを受け、李監督は談話室から役者とメインスタッフ以外を閉め出し、               親子の情愛を捉えるためパーソナルな雰囲気を高めていく。               貴子が初対面の直人と話すシーン。               そして二人のもとに優馬がやってくるシーン。               翌日、貴子の病室のシーンを撮影。               母に対する息子としての優馬の気持ちが溢れ出す場面である。               見事な泣きの芝居を見せた妻夫木は撮影後も涙が残り、               綾野もうっすら涙を浮かべていたようだ。

             

             

             

直人と親しげに話す女・薫を               街で見かけ、優馬が話しかけるシーンは、               中目黒駅から徒歩2分の距離にあるカフェ『FRAMES』で撮影された。               李監督と妻夫木、そして薫役の高畑充希は話し合いを重ね、               結局台本の台詞を大幅に変更。手書きの決定稿を出してから本番に入った。               通行人で溢れ返る駅前。撮影を終えた時はもう日暮れ間近だった。               高畑は二日間のみの参加だったが、これほど集中して緻密に作っていく現場があるのかと驚いたという。
              そしていよいよ8月25日、優馬の部屋のセットでオールアップ。               妻夫木と綾野は直人が優馬の部屋から姿を消した時点で、               自身たちの同居生活も解消していたそうだ。               2週間あまりの現場を終え、「すごく濃密な時間でした」と語る妻夫木。               彼はこの東京編で李監督のリクエストに最大限応え、               続く沖縄編、千葉編につなげていきたいという強い気持ちがあったらしい。               その想いの通り、スタッフの士気は最高潮のまま、次の現場へとバトンタッチされていった。

 
            
             

沖縄

             

             

東京編アップの翌日から続々とスタッフ・キャストは沖縄へと移動。               沖縄県最北端に位置する人口1400人ほどの小さな離島・伊平屋島(いへやじま)が、               泉や辰哉らの暮らす波留間島の設定となる。
              8月29日、沖縄編クランクイン。               オーディションで泉役に選ばれた広瀬すず。               東京・沖縄での一般オーディションで1200人の中から辰哉役に選ばれた16歳(撮影当時)の高校生、新人・佐久本宝。               そして「この役をやれるのは彼しかいない」と李監督からの熱烈なオファーを受けた、田中役の森山未來。               若い二人があまりにも重い感情を背負う濃密なパートだ。               初日から李監督は広瀬・佐久本とじっくり話し合いながら20回、30回と同じ芝居を続けていく。               「それっぽい」芝居では決してOKなど出ない。               なんと撮影初日は一度もカメラを回さなかった。               「そこにいるのが泉でない以上は、丸一日潰してでも泉を見つけていかなきゃいけない」と李監督は語る。リアルに“役を生きる”まで妥協を許さない李演出の象徴的な一コマだ。広瀬も佐久本もその厳しさに必死で食らいついていった。
              伊平屋島での撮影の拠点となったのは『民宿風ホテルにしえ』。               辰哉が家族と共に暮らし営んでいる民宿「さんご」の設定で、のちに田中が住みこみでアルバイトをはじめる場所だ。               長く伸ばした髪と髭。ワイルドな風貌の森山未來は、完璧に役の田中になりきっている。               彼はクライクイン前からひとり無人島に乗りこみ、徹底した役作りに専念していたのだ。               ホテルでは田中と辰哉の交流がメインとなる。               森山に胸を借り、佐久本が芝居に辰哉としての感情を込める。               辰哉が田中に心の内を初めて話すシーンでは、怒りと悲しみが高ぶって思わず涙が溢れた。               そんな佐久本のナチュラルな気持ちの入り方に、スタッフが感動する場面も多く見られた。               期間中は地元の方々の手厚い協力を受けつつ、約10日間のロケが終了した。
              沖縄での撮影は天候に左右される。               進行は晴れバージョンと曇りバージョンの2パターンを用意していたが、スコールのような通り雨も多く、違ったスケジュールを余儀なくされることもあった。               「『監督の怒りはなんですか?』って訊かれたら、沖縄の天気って言う!」と冗談を飛ばすほど、李監督も天候との闘いには苦戦を強いられたようだ。

                           

             

沖縄県島尻郡渡嘉敷村(しまじりぐんとかしきそん)に属する離島・前島。               この面積1.6キロ平方メートルほどの小さな無人島が、田中が暮らす「星島」の設定となる。               もちろん観光地ではないので定期便はなく、撮影隊専用に船をチャーターして移動する。               水道、ガス、電気などのライフラインは一切ない。               ちなみに野生のヤギがたくさん生息しており、荷物の紙コップが食べられてしまったことも……!
              この島での撮影が始まったのは9月7日。               あらかじめ飲み水の用意や簡易トイレ、巨大テントなど、50人以上のスタッフが真夏の撮影に耐えられる環境を整備した。               メインとなる場所は、田中が暮らす廃墟。               もともとそこにあった廃墟を美術部が改造、増設してオープンセット形式の舞台を作り上げた。そこに森山は丸太を運んできてテーブルにするなど、まるで本当に自分の家を作るように自分でセッティングを加える。               「とにかく素敵なロケーション。夜の星空とか海とか、この場所にきっと田中も癒されていただろうし。でも同時に最果ての無人島にいるという危険や恐怖も感じている」と森山は島での宿泊体験を語る。
              廃墟では田中と泉の出会いのシーンから撮影がスタート。               沖縄の上空を飛ぶジェット機の音と共に田中が登場した時、逆光シルエットになるように、朝一番の太陽狙いで限られた時間で撮影する。               ここで廃墟の中に初めて足を踏み入れた泉が尻もちをつくところは、リハーサルの時から広瀬が苦戦していたシーン。自然に見えるように何度も何度も繰り返す。               森山と広瀬、そして佐久本も交えた一連の芝居はカット数も多く、結局二日に分けて撮影した。               9月11日、前島ロケはいったん終了。               那覇での撮影が終わってから、再びここに戻ってくることになる。

                           

             

泉と辰哉がデートに出かけ、やがて悲痛な事件に直面する重要なシークエンスである。               9月12日、観光地としても有名な繁華街・国際通りで撮影をスタート。               まずは毎週日曜日の12時から歩行者天国となるこの通りで、エキストラ150人が参加する辺野古新基地建設反対のデモのシーンが撮られた。               そのデモ隊の横の歩道を並行して歩く泉と辰哉。               観光客の多い道でカメラを回していても、ロングヘアで前髪をあげた、これまでのパブリックイメージとは違う広瀬の姿はほとんど気づかれない。
              やがてアーケード街に入り、二人は偶然田中に出会う。               三人が居酒屋で食事をするシーンは、商店街の中にある沖縄料理店『鳩間島』で撮影。               未成年の佐久本はこの日の芝居のため、周りの大人の酔っ払い方を観察して研究してきたようだ。酔っ払った辰哉がお酒をこぼしてしまうシーンは予定外だったが、三人はアドリブで芝居を続け、本編にはこのハプニングカットがそのまま使われている。
              国際通りやアーケード街からほど近い『希望ヶ丘公園』にて、悲痛な事件の撮影が行われた。               夕方の明るいうちからリハーサルをし、大まかな芝居の流れを確認してナイターのセッティングに入る。               その間、広瀬はいつも通り笑顔を絶やさず、公園でストレッチをしながら明るく振る舞っていたが、それは彼女なりに緊張を振り払おうとしていたのかもしれない。
              このシーンでは、ほとんど段取りは行わずに本番の撮影に入った。               撮影は二晩に分けて行われた。               二日目は泉を助けられず無力感に苛まれる辰哉と、現場を上から見下ろしていた田中を撮影。               この過酷な撮影を終えて、広瀬はこう語った。               「正直、現場に入るまで全然お芝居のイメージができませんでした。でも監督が本番前に『すべてを壊されて心が切り裂かれる――本当に感情が全部ぶち壊されるんだ』とアドバイスをくれて。その監督の最初のひと言で入っていけたかなと思います。」               大変な山場をやり切った彼女は、その晩ぐっすり眠れたそうだ。

                           

             

那覇での撮影を終えると、残り四日間は再び前島へ。               森山と佐久本による沖縄編のクライマックスに向かう大事なラストスパートである。               このシーンの撮影に向けて、森山と佐久本、そして李監督は、三人だけで島に宿泊し一晩かけて話し合ったそうだ。               本番の芝居は、台本からも、前日の段取りからも大きく変わり、想像を遥かに超えるエモーショナルな森山と佐久本の芝居が生まれた。               ほとんどテイクを繰り返すことはなく、まるで二人のドキュメンタリーを切り撮っているような会心のシーンとなった。
              続いて、泉が海に向かって叫ぶシーン。               これまで沖縄で粘りに粘った撮影のため、東京に帰る飛行機の出発まで残された時間は一時間を切っていた。               それでも現場のテンションは揺るがない。美しい海の中へざんざんと入っていく広瀬は、「体に一本太い線が入った感じ。ガシッとね」という李監督の助言に応え、言葉にできない、やりきれぬ気持ちすべてをこの魂の叫びの中に表した。
              こうして9月20日、スケジュールの変動が激しかった沖縄編クランクアップ。               厳しい試練をくぐり抜けた広瀬も佐久本も、今では李監督への信頼と感謝の気持ちでいっぱいだ。               解放された嬉しさよりも、撮影が終わって寂しいという気持ちのほうが強いと口にしたほどだった。

                                         
               
             
         

千葉

             

             

3つのストーリーの最後のバトンを受け取るのは、洋平役の主演・渡辺謙たちが待ち受ける千葉編。               スタッフは東京編、沖縄編で死力を尽くしてきたあとだけに疲弊の色を見せているが、ここが正念場だ。
              劇的要素の大きい他の2パートに比べ、千葉編はさざ波のように小さなドラマが積み上がっていく構成。               李監督は一人一人のキャラクターが洋平の娘・愛子の心の奥に近づいていくような撮影の方向性に面白味を感じていたという。               また愛子を演じる宮﨑あおいが、今までにない役に挑戦してくれたことで、いかに彼女がこれまで以上の“何か”をむき出しにしてくれるか――               それを千葉編のテーマとしていた。
              9月25日、まずは新宿・歌舞伎町でのロケーションから千葉編がクランクイン。               実際に営業している風俗店で撮影し、受付にある女の子たちの写真の中に愛子の姿も交ざっている。               細身の宮﨑は原作のイメージに合わせて約7キロ体重を増やして臨んだ。               風俗嬢としての無理な仕事で、ボロボロに疲れ果て横たわっている愛子を、娘を捜して店に訪ねてきた父親の洋平が心配そうな顔で見つめる。               初日から重く辛いシーンの撮影だ。               その張りつめた撮影の一方、現場の空気を和らげていたのは渡辺の気さくさ。               李組の前作『許されざる者』で一緒に仕事をしたスタッフとの再会を喜び、初めて会うスタッフにもどんどん話しかける。               主演俳優は、皆の緊張をほぐしてくれるムードメーカーでもあった。
              別日には愛子が洋平に連れられ、千葉・勝浦に向かうシーンの撮影へ。               実際に運行している列車内での撮影のため、時刻表に合わせて緻密なスケジュールを正確にこなさければならない。               絶対失敗できない数々のワンチャンスを、スタッフは抜群のチームワークを発揮して無事クリアしていった。

             

             

             

千葉での日常生活に戻った愛子はすっぴんに髪飾りをつけ、リラックスしたラフな格好でいつも出歩く。               彼女が暮らす漁港のシーンは、千葉県鴨川市にある天津小湊漁協で撮影。               田代役の松山ケンイチをはじめ、明日香役の池脇千鶴らはここからインする。               少し前から漁協で働き始めたという寡黙な田代が、無垢な愛子に出会い、お互い緩やかに惹かれ合っていく展開だ。               やがて水揚げ作業中の洋平のもとに、愛子が田代と一緒に暮らしたいと申し出る。               このシーンは朝6時から実際に作業を行っている漁師や漁協の方々の中にお邪魔して撮影。全体の撮影進行はこの日の水揚げに合わせたスケジュールを組んでいた。               本番は完全にライヴで行うため、フォークリフトに乗ってダンベを運ぶ役割の洋平を演じる渡辺は、朝5時から現場に入って練習と確認。               彼はこのシーンに備えて、事前にフォークリフトの免許を取得したという。
              洋平の家は、勤め先の天津漁協から約150メートルの近所にある実際の住居を借りて撮影。畳の居間は丸いちゃぶ台のある、昭和の雰囲気が漂う和室だ。               役のうえでは親子関係のボタンの掛け違いから厳しい表情を見せることの多い洋平だが、演じる渡辺はいつも陽気で、周囲への気遣いも厚い。               宮﨑は渡辺の人柄に触れ、               「私はいつも現場で人と話すことはそんなに多くないんですけど、お父ちゃんとはたくさん話をしました。               “謙さん”と呼ぶと渡辺謙さんになっちゃうので、普段から“お父ちゃん”と勝手に呼ばせてもらっていました」と語る。               根底に流れる親子の情愛に沿うかのように、二人の関係も近づいていったようだ。
              そんな中、愛子と田代の関係について真剣に考え始める洋平。               誠実そうだが、素性の知れない田代との心の探り合いは極めて繊細で難しいシーンだ。               ここは李監督と渡辺、田代役の松山の三人でじっくり話し合いを重ねてから芝居を固め、一つ一つのシーンや感情が丁寧に積み上げられていく。
              愛子が田代と暮すことになるアパートは、千葉県勝浦市の海岸沿いにある『ライジングサンバックパッカーズ』(主にサーファー向けの宿泊施設)のマンション2階部分で撮影された。               李監督が千葉編のテーマにもしていた「宮崎あおいのむき出し」が最も芝居として大きく現れる局面もここで撮影がおこなわれた。               宮崎は髪が乱れても、よだれが垂れても、どんな無様な姿でも、ただひたすら身体いっぱいに泣き叫ぶ。               本番の間も李監督は「止まらない!」「もっと心の底から叫んで!」と極限まで追い込み、長い時間カメラを回し続ける。               壮絶な演出と芝居のバトル。               まさにエモーショナルな圧巻のワンシーンが生まれた。

             

             

             

千葉編と同時期に撮影されていたのが、犯人・山神の殺人事件を捜査している刑事たちのパート――事件編だ。               このメインとなる南条役のピエール瀧、北見役の三浦貴大は、同時進行している各パートを糊付けしていくように結ぶ役回りであり、全体から見たバランスを大切にする必要があった。
              彼らが勤務する八王子警察署のシーンは、埼玉県の吉川市役所を借りて撮影。               この事件編でスタッフを驚かせたのは、捜査中に登場する山神を知る男・早川役の水澤紳吾の役作りだ。               別の傷害事件で逮捕されたという設定なのだが、彼の顔には無数の真新しい傷があった。それは特殊メイクなどではなく、この役のために自ら針金で顔を傷つけてきたのだという。               もちろん李監督からのオーダーではなく、水澤が自主的に行ったこと。役に合わせて陰気な雰囲気を身にまとい、一人で撮影隊に合流した彼は、撮影前から真に迫っていた。
              また、八王子の住宅街で尾木夫婦殺害事件を引き起こした山神の回想シーンは、               千葉編に入る前のタイミングで撮影。               凄惨極まるこのシーンも、李監督が「居抜き」にこだわり、神奈川県内の実際のお宅を四日間借りて行われた。               ドアに殴り書きされた「怒」の血文字――               この衝撃のビジュアルは現場でも異様なムードを放っていた。               まるでそれを目にする者に、人間存在の闇を深く鋭く問いかけるような……。

             

             

             

10月15日。千葉編の最終日は、東京、沖縄同様、クライマックスへ向か              

(制作プロダクションのホームページから引用させていただきました)


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