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2019年8月12日 (月)

1978年製作の松竹映画「皇帝のいない八月」監督は社会派の巨匠山本薩夫

社会派は娯楽要素8割、

作者の意図2割で映画のヒットを

 

根拠について、説明してみます。人によって感じ方はちがいますが、

私にとってのと言うことで進めたいとと思います。

 

使わせて頂く作品は1978年製作の松竹映画「皇帝のいない八月」

とさせて頂きます。娯楽要素(私が面白いと思ったところ)

当時、名画座まで追いかけて何度か観ていますが、

何故私を引きつけたのかを振り返ってみます。

3812

 

 

映画のあらすじは、自衛隊が寝台特急さくら号を乗っ取り

クーデターを起こす。これは、荒唐無稽な話ではなく、

戦後何回かクーデター未遂事件は起きていて

しかし、国民には何故か知らされずに闇に葬られている。

クーデターよりも、その事の怖さを描きたかったのでは

ないか。

松竹は和製カサンドラクロスのアクション映画を

狙ったらしいのですが。

 

では娯楽要素(私が面白いと思ったところ)

を思い出してみます。

○41年前に観た作品なので、記憶が曖昧になっている

かもしれませんが。思い出してみます。

松竹の富士山のマークが出終わり、最初のシーンは国道を走る

クーデター部隊のトラック。それを追跡する県警の車両。

機関銃の銃撃を受け、大破炎上する県警車両、と同時に

映画の題名が画面いっぱいに出て、映画のテーマ音楽が流れる。

導入部はこんな感じで始まり、スタッフ・キャストのクレジットが

終わるまで音楽は続く。作曲は佐藤勝で確か東京フィルハーモニー

のフルオーケストラで作られており大変贅沢なものだ。

1977年の幸福の黄色いハンカチの作曲を手掛け乗りに

乗っていた頃だ。この導入部がとても格好良くて、

何度も観たのかもしれません。

もちろん、最初に観客を物語に引き込もうとする

監督の意図でしょうけれど。

クーデターの部隊長(渡瀬恒彦)が登場するまでは、

映画のテンポはとても速いです。

 

登場する役者がとても豪華ですので、その一部を紹介します。

渡瀬の妻・さくら号乗客(吉永小百合)、

吉永の元恋人・さくら号乗客(山本圭)

、内閣情報調査室室長(高橋悦史)、クーデター部隊長(山崎努)、

毎朝新聞政治部長(神山繁)、クーデター首謀者の1人(鈴木瑞穂)

、さくら号乗客(渥美清、岡田嘉子)、総理大臣(滝沢修)

クーデター計画の黒幕(佐分利信)、防衛庁長官(永井智雄)

、佐分利の愛人(太地喜和子)、統合幕僚議長(丹波哲郎)

、建設大臣(小沢栄太郎)、吉永の父・陸将補(三國連太郎)

 

○さくら号に乗り合わせた渡瀬、吉永、山本、渡瀬と山本の対決

シーンが面白い。渡瀬の台詞、「腐りきった今の日本を皇室

中心とした秩序ある日本に変える為にこの命を捧げる」

それに対し山本は、「あんたは狂っている、今は民主主義の時代だ

こんなやり方は間違っている。

家族のために生きることこそが大切なんだ。だから死ん

ではいけない。」山本の言葉がきれい事に聞こえ何の説得力

も持たない。渡瀬の演技(三島由紀夫がモデルと

言われていますが)が圧倒的に上手すぎるのもあるが、

監督が意外と冷めた目で演出しているのかなと思いました。

こうなるのは、渡瀬をキャステングした時点で

監督には分かっていたのだと思います。寧ろ、その方が

良いと思っていたかもしれない。悪を魅力的に描くのは

仕方ない。その方が面白いから。

吉永は渡瀬にいまだに想いを寄せている。渡瀬にレイプされて

結婚したのに惚れていく。

豪華な俳優さんの演技と、佐藤勝の素晴らしい映画音楽を味わい、

映画館を出たが、渡瀬を肯定できないし、彼も駒でしかなかった

と思いました。

映画はキャステングで決まる所があるので、渡瀬恒彦と山本圭

の履歴を載せてみました。同時に山本薩夫と作曲の佐藤勝が

何故こういう作品にたどり着いたかを履歴で探ってみました。

 

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ウィキペディア山本 薩夫(やまもと さつお)

社会派として反体制的な題材を扱いながらも娯楽色豊かに仕上げる

手腕・平衡感覚をもった監督として、興行的にも常に成功していたた

め~。

山本薩夫:映画監督

1910年7月15日鹿児島市生まれ

油絵の塾の先生が後の映画監督の伊丹万作であった。

早稲田大学で軍事教練に反対して特髙に検挙され中退する。

松竹蒲田撮影所に入社。成瀬巳喜男の助監督。東宝に移籍。

1937年27歳で監督昇進、2作目の「母の曲1937」東宝が

記録的なヒットとなる。

戦中は戦意高揚映画を撮り、招集で報道班として、

北支を転戦。1946年6月に復員し9月に東宝に復帰。

東宝は第2次東宝争議の最中で、山本は組合の代表格

として会社側と敵対するようになる。

1947年戦後第一作「戦争と平和1947」東宝を監督し、

大変な評判を呼び、キネマ旬報2位。

1948年会社側が1000名以上の解雇を通告したことが

きっかけとなり第3次東宝争議が勃発する。撮影所に篭城した

組合員を排除するために、ついには、アメリカ軍も介入する

事態になり、一応は山本を含めた組合指導部16名の解雇で騒動は

決着となった。

東宝からの争議解決金1500万円で

社会派映画「ペン偽らず暴力の街1950」大映

を監督しヒットさせる。これに自信をもち独立プロ新星映画社

を設立し骨太な社会派作品を数多く世に出した。

「人間の壁1959」「武器なき戦い1960」「松川事件1961」

と独立プロで製作を続けていたが、大映の永田雅一より仕事の

依頼を受け、市川雷蔵主演「忍びの者1962」を監督し、大ヒットを

記録する。以降は、大手映画会社での製作が中心となる。

大映では医学界にメスを入れた山本の代表作

「白い巨塔・1966」でキネマ旬報日本映画大賞を受賞する。

大映では「氷点1966」「座頭市牢破り1967」

「牡丹灯籠1968」「「天狗党1969」などを、製作する。

松川事件を泥棒の視点で描く「にっぽん泥棒物語1965」東映を

世に放つ。

日本の大陸への進出の歴史を描いた超大作

「戦争と人間三部作1970~73」日活、

金融界の内幕を暴いた「華麗なる一族1974」芸苑社、

構造汚職を摘発した「金環蝕1975」大映、

ロッキード事件を描いた「不毛地帯1976」芸苑社、

自衛隊のクーデターを描く「皇帝のいない八月1978」松竹

「ああ野麦峠1979」新日本映画

次回作として予定されていたものに

野上弥生子の「迷路」、森村誠一の「悪魔の飽食」

山崎豊子の「不毛地帯の後編部分」これらは山本急逝

のため未完。監督作品57本(ドキュメンタリー2本含む)

佐藤勝:作曲家

1928年5月29日北海道留萌市生まれ

国立音楽大学卒

映画は生涯300本を超える作品に携わる。

映画を通して、管弦楽の響きに親しんで欲しい

と言う思いもあり各地で映画音楽を中心とした

コンサートを開いた。予算が許す場合は、大編成

のシンフォニーでまとめることが少なくなく

その一つが「皇帝のいない八月」だ。

PS:「皇帝のいない八月」の音楽は特に管楽器が

うなるように、又はファンファーレのように迫力を

出しています。

購入したサウンドトラックLPレコード

には台詞も入っていてサービス満点でした。

1977年に携わった「幸せの黄色いハンカチ」の音楽に

似ている気がしました。

主に携わった映画音楽

「狂った果実1956」日活、監督中平康

「隠し砦の三悪人1958」東宝、監督黒澤明

「悪い奴ほどよく眠る1960」東宝、監督黒澤明

「用心棒・1961米アカデミー作曲賞にノミネート」

東宝、監督黒澤明、

「椿三十郎1962」東宝、監督黒澤明

「天国と地獄1963」東宝、監督黒澤明

「赤ひげ1965」東宝、監督黒澤明

「日本のいちばん長い日1967」東宝、監督岡本喜八

「首1968」東宝、監督森谷司郎

「人斬り1969」フジテレビ・勝プロ、監督五社英雄

「戦争と人間・運命の序曲1970」日活、監督山本薩夫

「家族1970」松竹、監督山田洋次

「戦争と人間・愛と哀しみの山河1971」日活、監督山本薩夫

「海軍特別年少兵1972」東宝、監督今井正

「故郷(ふるさと)1972」松竹、監督山田洋次

「戦争と人間・完結編1973」日活、監督山本薩夫

「日本沈没1973」東宝、監督森谷司郎

「華麗なる一族1974」東宝、監督山本薩夫

「金環蝕1975」大映、監督山本薩夫

「不毛地帯1976」東宝、監督山本薩夫

「幸福の黄色いハンカチ1977」松竹、監督山田洋次

「皇帝のいない八月1978」松竹、監督山本薩夫

「ああ野麦峠1979」東宝、監督山本薩夫

「遙かなる山の呼び声1980」松竹、監督山田洋次

「櫂1985」東映、監督五社英雄

「極道の妻たち1986」東映、監督五社英雄

「吉原炎上1987」東映、監督五社英雄

「女殺油地獄1992」松竹、監督五社英雄

「ひめゆりの塔1995」東宝、監督神山征二郎

「雨あがる2000」東宝、監督小泉尭史

歌謡曲

若者たち主題歌1966「原題:空にまた日が昇

ぼるとき」歌、ブロード・サイドフォー

「恋文1973」由紀さおり

参考)

「八甲田山」は芥川也寸志でした。佐藤勝さんかなと思っていました。

「砂の器」の作曲は菅野光亮で大変素晴らしいです。

渡瀬恒彦:俳優 1944年7月28日島根県安来市生まれ 

三田学園高校時代国語270人中5番以内

で新聞記者になりたかった。1浪の末早稲田大学法学部

へ入学、中央大学、慶応大学にも合格した、

電通に就職したが研修期間1か月で辞めて、

広告代理店ジャパークへ転職する。そこで、

東映の社員に俳優を薦められ東映に入社する、

長男はTBSTVディレクターの渡瀬暁彦

、実兄は渡哲也、遠縁にテニスプレーヤーの錦織圭、

「スターに学問は要らない、肉体労働だ」の

哲学を貫く。1976年東映映画「狂った野獣・中島貞夫監督」

主演でバスの運転免許を超スピードで取得して自らの運転で

バスを横転させた。

1976年東映京都撮影所映画「暴走パニック大激突・深作欣二

監督」主演では200台の車、バイクの衝突シーンで出演者の中

で1人だけノウスタントを志願し、自らハンドルを握り対向車に

突っ込んだ。

主な映画

「仁義なき戦い・仁義なき戦い代理戦争1973」東映、

監督深作欣二、有田俊雄役・倉元猛役

「事件1978」松竹、監督野村芳太郎、宮内辰造役の演技

でキネマ旬報助演男優賞を受賞する。共演大竹しのぶ・松坂慶子

「皇帝のいない八月1978」松竹、監督山本薩夫、藤崎顕正主役

共演吉永小百合・山本圭

「神様がくれた赤ん坊1980」松竹、監督前田陽一

共演桃井かおり

「震える舌1980」松竹、監督野村芳太郎、三好昭主役

この作品の演技でキネマ旬報主演男優賞を受賞する。共演十朱幸代

「セーラー服と機関銃1981」東映、監督相米慎二、佐久間真役、

共演薬師丸ひろ子

「天城ごえ1983」松竹、監督三村晴彦、田島松之丞主役、

共演田中裕子

「南極物語1983」東宝、監督蔵原惟善、越智健二郎役

「男はつらいよ・夜霧にむせぶ寅次郎1984」松竹、監督山田洋次

マドンナ風子(中原理恵)の恋人トニー役(キグレオートバイ

サーカスの花形))

 

 

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山本圭:俳優 1940年7月1日大阪府大阪市生まれ

俳優座出身、俳優3兄弟で山本學は長男、圭は二男、亘は三男

映画監督山本薩夫は父の弟、妻はプロの囲碁棋士小川誠子

TV・映画の「若者たち」で三男の理論家三郎役を演じで人気

を得る。

主な映画

「氷点1966」大映、監督山本薩夫、辻口徹役、共演若尾文子

「若者たち1968」監督森川時久、理論家の三男佐藤三郎役で、

毎日映画コンクール助演男優賞を受賞、共演佐藤オリエ

この時の主演男優賞は若者たちで無学な佐藤家の長男を

演じた田中邦衛です。

「人斬り1969」フジTV・勝プロ、監督五社英雄、皆川一郎役

「戦争と人間・愛と悲しみの山河1971」日活、監督山本薩夫

標木耕平役、共演吉永小百合

「小林多喜二1974」多喜二プロダクション、監督今井正

小林多喜二主役、共演中野良子

「新幹線大爆破1975」東映、監督佐藤純弥、古賀勝役

「不毛地帯1976」東宝、監督山本薩夫、埴駐在員役

「皇帝のいない八月1978」松竹、監督山本薩夫、石森宏明役

「事件1978」松竹、監督督野村芳太郎、花井先生役

「鬼龍院花子の生涯1982」東映、監督五社英雄、田辺恭介役

、共演夏目雅子

SP・革命編2011」東宝、監督波多野貴文総理大臣役

主な舞台

「ハムレット1972・1980」俳優座、全て演出は増見利清、

ハムレット主役、オフィーリア香野百合子・1980です。

 

 

PS:1980年の山本圭の「ハムレット」は観ました。

しかし、今も印象に残る「ハムレット」は1976年、

渋谷西武劇場での文学座のものです。

ハムレットは江守徹、オフィーリアは太地喜和子でした。

江守と太地は舞台のために生まれてきた名優です。気が狂う

オフィーリアは太地ならではの演技で今も忘れられません。

この2人の演技は他の追随を許しません。推測ですが、山本圭は

映画・TVで活躍する役者で、江守、太地は舞台で活躍する役者

ではないのか?山本圭も舞台もやり、江守、太地も映画・TV

もやっていますが、力を発揮出来るフィールドはどちらか

と言うことです。

 

「マクベス1982」無名塾、演出隆巴

主な吹き替え

「ドクトル・ジバゴ」監督デビッド・リーン、オマーシャリフ役

「ジャッカルの日」監督フレッド・ジンネマン、エドワード・フォックス役

「ディア・ハンター」監督マイケル・チミノ、ロバート・デニーロ役

「ケインとアベル」サム・ニール役

「シェイクスピア物語・ハムレット」デレク・ジャコビ役

主なナレーション

「とんねるずのみなさんのおかげです1990」フジテレビ

 

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